2011.05.03 Tuesday
展覧会終了
5月1日、盛況のうちに渡辺淳さんと向坂典子さんのふたり展は終了しました。
4月29日からは渡辺さんも来てくださり、加えて、前半のみの予定だった向坂さんも会場に詰めてくださり、私も含めて3人で清滝に泊まり込んで、寝食共にご一緒に、懐かしい合宿生活のような3日間となりました。 4/30には渡辺さんとともに清滝散策とスケッチもおこないました。 20人あまりの老若男女の参加者があり、どのようにまとめていこうとあれこれ考えていたのですが、始まってみれば、淳さん、見事な指導力を発揮、というか、会場でお客相手をされるより遥かに生き生きしたご様子で、さっさと皆を引き連れ、楽しげに外に出て行かれ、参加者もあっという間に皆さんそれぞれのお気に入りの場所を見つけて、絵を描き始められ、何ひとつこちらが手を出すことなどないのでありました。 驚いたのは渡辺さんの絵の描き方です。 前日夕方下見をかねて近くにご一緒に散策に出かけたのですが、川の橋の上で、ほんのしばし山と川を眺めた淳さん、ギャラリーに帰ると、すぐに竹紙を取り出し、何も見ずにいきなり紙に絵の具の色を置き始められました。山の木々のイメージをぽわっ、ぽわっ、と色で表し、翌日になってから、その上から墨の線を置いていかれました。 その間、写生も下書きもいっさいなし。 それでも淳さんの頭の中には一瞬にして、清滝の山や川のイメージがインプットされていて、見事にあっという間に竹紙の上に再現されていったのです。 人はそれぞれ、物事をどうとらえるのかという記憶の仕方が異なるものなのでしょうか。印象でとらえる人、言葉でとらえる人、いろいろいるのだと思いますが、淳さんはきっとものごとが絵として、色や形で頭の中に即座にとらえられる、そんな頭の構造をしているのに違いありません。私はあらためて舌を巻きました。 いつもニコニコしながら皆と話をしている淳さんとまた違った、画家としての淳さんの本質をかいま見たひとときでもありました。 淳さんも参加者の方々も、水を得た魚という感じでスケッチワークショップは大成功。生き生きしている皆さんの絵と表情に、またいつかこんな機会があるといいなあと思った次第でありました。 最終日、私は不覚にも体調不良で、淳さん典ちゃんにご迷惑をおかけしてしまいましたが、そのことをお許しいただければ、ほんとに楽しい会期でありました。 来てくださった大勢のみなさま、ほんとにありがとうございました。 |