2011.03.07 Monday
ラオス竹紙の旅 記録18
午後1時を過ぎ、とうとう、おこもり部屋からシンヘットさん兄弟が出てきた。
左がシンヘットさん、右が弟さん。二人とも儀式用の刺繍をした鮮やかな上着を身にまとい、とても神妙な面持ちだ。長老たちから教えを説かれている様子だ。
いよいよ出てきた!と思ってから、また教えが続き、1時間以上が過ぎてから(村で時計というものはいっさい見かけなかったけれど、村人たちは時間をどう認識しているのだろうか?)、新たな展開があった。
数人の若者たちが、儀式用の衣装を身に着けてやってきた。皆頭に鬼の面を着けている。シンヘットさん兄弟も面をつけ、その前に頭を垂れる。
真剣に行われる式を、年少の子どもたちがまわりからじっと見つめている。
若者たちは二人のまわりを舞い踊り
竹紙や香を燃やし
ときに二人のまわりを取り囲む。
村人たちや子どもたちも集まってきている。
2階で行われた式に女性はまったく参加していなかったが、1階で裏方を務めていたシンヘットさんのお母さんも、このときはそっとのぞきにきていた。
午後3時。いよいよ外に出て行く時が来たらしい。
まわりの子どもたちもろうそくや小道具を持ち、
若者やシンヘットさんは舞い踊りながら
階段を下りて外に出て行く。
家の外に出た行列は、そのまま踊りながら
竹紙を掲げた青竹のまわりを輪になって踊り回っている。
長老たちも太鼓や銅鑼を鳴らしながら回っている。読経のような声も響いている。
そしてやがて踊りが終わると
兄弟は家の前にひざまずき
茶碗から何かを口にした。お酒だったのだろうか。
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