2011.03.02 Wednesday
ラオス竹紙の旅記録15
少し時間に余裕があったので、帰りに二つの村に寄る。
最初はレンテン族の村、ダワン村。
村の入り口の家に住むおばさんに竹紙のことを聞く。
「去年たくさん作ったから今年は作っていないわ」とのこと。
「でも、紙のストックはあるから、欲しいなら売ってあげるよ」
「うん、村を一周回ってからもう一度立ち寄るね」
と言って先に進んだのだが、なぜか、少し歩き進むと、もう先の家から竹紙を持った別の女性が出てきて、私たちを待ち構えている。
「あれ、携帯で連絡しあったの?」というくらいのすばやい情報伝達である。
ダワン村では今年は紙漉は行われていなかった。
それでも、みな葬式や先祖をまつる儀式に備えて、竹紙を漉き備えておくことは続いている。
やはりレンテン族にとって、竹紙は欠かせないものであることは確かだ。
家の脇には、布をはずした竹の漉き枠が立て掛けられていた。
一周回って二人の女性から竹紙を1枚ずつ譲ってもらう。
ひとりは彼女から
もうひとりは彼女から
戻ってくると、最初の家のおばちゃんがご機嫌斜めだ。
「あんた、別の人から竹紙を買ったのかい?」
「誰がどんな紙を漉くのか見たかったのよ。おばちゃんのも1枚ちょうだいね」
と言うと、すっと機嫌が直って、家から自分の竹紙を持ってきてくれた。
で、おばちゃんの家の前で、おばちゃんとニットさんと一緒に記念撮影。
日本でもそうだが、手漉き竹紙は漉く人ごとに微妙に風合いや繊維のつぶれ具合、色合いが異なる。ダワン村で譲ってもらった3枚の竹紙も、一人一人の顔と同様に表情が違っていた。おばちゃんの竹紙は、実は村の3人の中で、一番やわらかく繊細だったなあ。
次に、トゥクトゥクの運転手さんの奥さんの村が近くにあるというので寄ってみる。
ルー族の村、ナムトン村である。
のどかな農村だ。庭や畑や家畜もいて、結構ゆとりを感じる。
雑貨店みたいな家で織物をしている女性がいた。
手織りの巻きスカートを織っている。彼女が身につけているのもとてもシックですてき。
こんな光のこぼれる中で
こんな単純な道具と人間の手技によって
こんな織物が作られているんだなあ。
この雑貨屋でこれが生まれているとは普通思うまい。
その後、運転手さんの奥さんの実家にも立ち寄らせていただく。
いきなりやってきた変な日本人の旅人にもかかわらず、どこに行ってもイスやお茶を勧めてくれる。
ラオスの人、ホントに親切だなあ。
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