2011.02.27 Sunday
ラオス竹紙の旅記録10 2/12
ナムディー村で一通りの竹紙の工程を見せてもらい、話も聞いた私たちだったが、この時、案内してくれたシンヘットさんから、竹紙の使い道に関わる重要な「あること」を聞くことができた。
それは、シンヘットさんが間もなく、ある儀礼を受けることが決まっており、その儀式で竹紙もたくさん使う、というのだ。
儀式は明日13日の夜に5人の先生(長老?)が集まり、シンヘットさんがその儀式を受けてよいものかどうかを協議するところから始まる。そして、それが認められたら、その次の日から3日3晩式が続くという。15.16日くらいには、竹紙を使った式が行われるはずだという。
式が終わったら、シンヘットさんは大人として認められ、どこへでも行くことを許され、結婚することも出来るのだと言う。
話を聞いて、成人の通過儀礼のようなものではないかと思った。
そんな儀式に竹紙が使われるなら見たいものだ。
お葬式などに竹紙が使われるとは聞いていたが、どこかにお葬式がないかと探すことも出来ないし、悲しみの中で興味半分な参加もはた迷惑なことだと思う。
でも、成人儀礼なら、おめでたいことだし、どんなことが行われるのか見たいなあ。
「私たちが参加したり写真を撮ることも出来る?」
と聞くと、シンヘットさん、構わないですよと言ってくれた。
本当は、ルアンナムターである程度村を見たら、ローカルバスでもう少し中国に近づいたムアンシンという町に拠点を移して、そちらの様子も見てみようかと思っていた。10年ほど前にルアンナムター周辺を染織交流の目的で訪れた高橋裕博さんからは、ルアンナムターからムアンシンへ行く途中で、竹紙を干している光景を見たと情報をもらっていた。また、染織家の草川メイさんからも、ルアンナムターとムアンシンの竹紙をわけていただいたことがあった。
だから、他の地域や民族の様子も見たい気はしていて、気になるところではあった。
でも、儀式のチャンスはそうあるものではないだろう。
どのように計画を組んだものか、迷うところだ。
しばし悩んだすえ、私はまずは12〜14日の間に日帰りで行ける地域の村を駆け足で回ってみることにした。12日もこのあと、いくつかの村を回り、また13日には、車で1〜2時間のムアンシンの町とその途中の様子も日帰りで見てくることにした。
以後は、その報告である。
2/12同じくレンテン族の村、ナムリュー村。
ナムディー村同様綿から手紡ぎ手織りしており、訪ねた時には、女性達が力を合わせて縦糸の長さをそろえる整経作業をしていた。
おしゃべりして笑いながら協力し合って力仕事をしていている女性達が楽しそう。
米を袋に詰めるところ
高床式の穀物倉庫は「ねずみ返し」になっている
そして、ここでも紙漉の様子を見ることができた。
そして、ここでは、漉き枠に貼った布のほころびを、丁寧に糸で補修している姿が見られた。
ほころびを糸で補修し、穴の開いたところにはつぎはぎをしている。
つぎはぎをすると、どうしても薄い紙にそのあとが残ってしまうことになるが、この人たちにとっては、針と糸を持って縫うことは、当たり前のことになっているんだなあ。
つぎに行ったのは、アカ族の村、ナムヤン村。
ここは紙漉はやっておらず、藤細工や貝殻を使ったブレスなどを作っている。
子ども、犬、子豚、みんな一緒にいる
村に入ったとたん、手作り小物を売る女や子どもたちに囲まれた。
村の高台にあった不思議な形のもの
そのときは宗教儀式に使うもの、としかわからなかったが、あとで本を調べたら、「祭礼に使うブランコ」とあった。ブランコって、この高さでいったいどのように?
これも宗教的な意味合いを持つものらしい
これ、学校です。
中には黒板と机があったが、この日は土曜日で学校は休みだった。
村では、ふいごや細工仕事をしている姿も見られた。
その後、タイダム族の村、ナムゲ村に立ち寄る。
ここは酒造りの村で、米を使った蒸留酒などを作っている。
村の中でお酒を売っていた。試飲してみたら、すっきりした味だったので1本購入。
45度の強烈な強さ。6000キープ(60円)は安すぎでは?
ただし、他のお酒の瓶に詰めかえただけの状態。
帰りにルアンナムターの市場をのぞく。
近隣の村の人々が、作ったりとって来た作物を並べ、また購入している。
野菜はとっても豊富。
ちょっと怪しいものも...これ、ねずみの黒焼き?
虫の幼虫?
クローバー?
夜はナイトマーケットの屋台でご飯。
その場でいろいろとりまぜで作ってくれるパパイヤサラダ
焼き鳥屋みたい。「これとこれちょうだい」というとその場であぶって焼いてくれる
で、食べていると、後ろで犬達が骨やおこぼれを待って座っている。
かしこくって、どこかのアホな飼い犬のように無理矢理テーブルの上のものをとったり吠えたりはしない。慎ましやかで穏やか。分を心得ている。
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