2014.08.31 Sunday
夏過ぎて、9月の展覧会はかつみゆきお展
8月も今日で最後です。
夏の展覧会、清滝での川遊び、(母の納骨の)旅行、お盆、大文字、地蔵盆など、予定していた行事も終わりました。8月半ばからは、台風や大雨が続き、その圧倒的な力におののいている間に、夏は過ぎて行ってしまいました。 あんなにうるさかった蝉の声もすっかり静まり、夜は虫の合唱が響いています。 さて、9月の展覧会のご案内をします。かつみゆきおさんの展覧会です。 かつみゆきおさんは、テラでもおなじみの静岡のベテラン木工作家です。 今年もかつみトラックに作品家具を満載して、、、というのは同じですが、 今年はひと味違いますよ! かねがねやりたいと(私が)思い、かつみさんにお願いしていた、かつみさんの写真展を同時併催します!これ、ぜひお見逃しなく!! かつみさんは中学卒業後から指物職人のもとで修業し、木工60年の大ベテランですが、登山家としても有名でした。日本の山はもちろんのこと、20代から40代まではカラコルムなどの未踏峰の岩壁に挑戦し続け、時に生死隣り合わせの経験もされてきました。 その登山行の凄まじい話も一級の冒険小説のようですが、傍ら、大量の写真も撮っておられるのです。山の写真はもちろんですが、山岳地帯に生きる人々、シェルパ、女性、子供、そして山に咲く花、、、。 どれもダイナミックな反面(大体8000m近い山に命がけで登りながら、どうしてこんな写真とれたんだ!?)、人を見つめるまなざしは優しく、かつみさんの人間性が感じられるるすばらしいものです。 部分的には拝見の機会がありましたが、もっとまとめてちゃんと見たい! この際ですから是非!とお願いしたところ、かつみさんは、古い写真を整理し、百数十枚を紙焼きしてくださいました。内50点あまりをご自身の額に入れて、展示してくださることになったのです。さらに、フィルムのデジタル化も敢行してくれましたから、長い保存の観点からも安心です。 会期中にはプロジェクターも使い、かつみさんに山と木と人の話をしていただこうと思っています。山の話、木の話、人の話、どれもそれぞれとてもおもしろく、やっぱり作品には人が現れるし、こういう人生を歩んでくると、こういう作品がつくれるんだなあ、と思わずにはいられません。 もうご存知の方も多いと思いますが、テラの2階にある大テーブルはかつみさんの作品です。 幹の中に割れ目が入っていて、他の業者がこれは使えんと放り出してしまったブラックウォールナットの木を、かつみさんが譲り受け、そんな出来の悪い木の方がおもしろいと、丁寧にくさびを入れてただひとつの個性的なテーブルを作っていったのだそうです。数年前の会期中にその話を聞いていたら、すっかりテーブルに愛着がわいてしまい、テラ所有とさせていただいた作品です。木が家具になって行く時に生まれる物語もまた、かつみ作品の魅力です。 今では皆が食事をしたり、集って話をしたりするのに欠かせない場となっていて、家具というものは、ほんとに好きなものに出会い、長く毎日長くつきあっていけたら幸せだなあと実感しています。 ではでは、9月20日〜28日まで、清滝にてお目にかかれますよう、お待ちしています。 かつみさんも毎日清滝に在廊していますよ。知らん顔して本を読んでいたりするかもしれませんが、声かけてくださいね、(自分からべらべらしゃべって近づいて行ったら、お客がゆっくりできないだろうと、案外気遣っているんですよ)。 |