竹紙のご縁で関わらせていただいた京都国際映画祭、18日で終了しました。
誓願寺さんで行われた村上ショージ竹紙墨絵展は、吉本のお笑い芸人である村上ショージさんが、筆ペンで描かれた竹紙画(新幹線でも車中でもどこでも描ける手軽な筆ペンにこだわって作品を作って来たそうです)。作品からは、意外にまじめなお人柄を感じました。
オープニングセレモニーとパーティーでショージさんにお目にかかった折、「描き心地はいかがでしたか?」とお聞きしてみました。「大きな竹紙に描くのはけっこう大変やった。水墨で描いたらもっと描きよかったとは思ったけれど、やっぱり自分は筆ペンにこだわりがあるし、全部筆ペンで描いたんや。でもおもしろい紙やった」とおっしゃっていました。
オープニングでは、普段お目にかかることのない多くの俳優さん、芸人さんを身近に拝見しました。
仲代達矢さん、津川雅彦さん、桃井かおりさん、桂文枝師匠、西川きよしさん、ロックンローラー内田裕也さんに吉本の多くのお笑い芸人さんたちや若手の俳優さんたち。
いくつかの展示や映画も見ましたよ。
市役所前に展示されていたオランダのテオ・ヤンセンの大型作品、ストランドビースト『アニマリス・シアメシス』。
かっこよかったです!
風をはらんで動く様は異界の生き物のようで、前から見たいと思っていたので嬉しかったですが、市役所前では数歩しか歩くところが見られず、できれば市役所広場の橋から端までくらい疾走してほしかったなあ(檻に繋がれた大型獣のようでもあったから)。
そして、我が家では、
別の日に見に行った夫が、ワークショップで、テオ・ヤンセンのミニバージョンを作って帰ってきました。無料だったそうです。現在我が家で歩行中です。
誓願寺さんでは、今年の芥川賞受賞者でもあるピース又吉、又吉直樹さんのアート展とトークイベントもありました。ご本人の詩の朗読にあわせて書のライブパフォーマンスも行われ、なまの話もおもしろかったです。
やっぱり映画祭だから映画も見ようと思い、『A2』『The Look of Silence』など、出品作のドキュメンタリー作品も見ました。
『A2』はサリン事件以降のオウム真理教信者の若者をとらえた森達也監督作品、『The Look of Silence』はインドネシアで行われた100万人虐殺の話でした。どちらも集団と個の関係、立場や視点を変えて物事を見るとまったく異なった世界が見えてくることなど、人と人との関わりのありかたを考える上で、思うことがたくさんありました。
かく言う私も、テレビの中で見ているだけだと、俳優さんも芸人さんも呼び捨てにしてしまいますが、一度直にお会いしてみると、なんか『さん』付けで呼びたくなってしまうあたり、人は人と距離をどうとるかで人間関係や感情がまったく変わってしまうんだなあと、実感です。
祭自体もそうで、今回の『京都国際映画祭』も、きっと関わりがなければ、「へえ、そんな催しやってたんやなあ」で終わってしまったことでしょう。でも、ふとしたきっかけで、もう一歩突っ込んで中に入り込んでみると、楽しんだり考えたり味わったりすることも多く、よい経験をさせてもらったと思っています。
お声かけ下さった祭のアートプランナーにしてお笑い芸人のおかけんたさんはじめ、吉本のスタッフのみなさまに感謝します。